ブログ記事一覧

今回は、GOCHIの料理の中でコアなファンが多い「仔羊」についてです。

 

羊が好きな人は必見ですよ!

 

ちなみに、ボクも大好きです(^^♪

 

どのくらい好きかと言うと、開店当初その理由だけでメニューに入れました(笑)

 

また、来店されると必ず注文される常連様や、「仔羊がある!」と言って喜んでくれる方を見ると嬉しくなります!

 

個人的に仔羊のオーダーが入ると、ちょっと親近感のせいか、ニヤけてしまうことも(笑)

 

ただ、料理全般的に言って、仔羊はまだまだマイナーな存在かもしれません。

 

そこで、少しでも仔羊の素晴らしさをブログで伝えられたら・・・と思い記事にしました。

 

それではいきましょう!

 

 

 

牛とも豚とも鶏とも違う羊の肉質

 

 

まずは、肉質から説明します。

 

羊肉はその成長年齢によって、大きく3つに分けられます。

 

1.乳のみ仔羊

 

飼料などの草を食べ始める前の仔羊のことです。

 

親羊の乳だけを飲んでいる生後4ヶ月位までの仔羊を指します。

 

肉質は非常に柔らかく、淡いピンク色をしており非常に美味しい!

 

フランス料理ではアニョー ド・レと言い、最も焼き方に神経を使う肉料理の一つです。

 

焼き方を間違えると、ジャーキーのようになります・・・

 

2.ラム(フランス語でアニョー)

 

乳離れしたばかりの生後1年未満の仔羊のことを指します。

 

クセが無く、フレンチやイタリアンで一番使う羊肉です。

 

GOCHIもこれです。

 

3.マトン

 

生後2年以上の成長した羊を指します。

 

肉質はやや硬く、独特の風味があります。

 

通好みの羊とも言えますね。

 

 

ザックリ分けるとこういった内容になります。

 

ただ、最近のレストランのメイン料理やジンギスカンは、ほぼクセの無いラム肉を使うのが主流となっていますね。

 

もちろん、クセが無いと言っても、仔羊特有の風味はあります。

 

その風味が、他の肉には無い深い味わいをもたらせてくれます。

 

また、何と言っても赤ワインに非常に合う!

 

この相乗効果は、他の肉では代えられません。

 

ただ、仔羊は水分が多いこともあり、焼き方が難しいんです。

 

焼き方については、後述しますね。

 

 

 

 

どこの部分が食べられる?

 

 

仔羊の部位は、他の牛や豚とほぼ一緒ですが、名前や切り分け方に若干の違いがあります。

 

ここでは、主に使われる部位を紹介します。

 

1.ショルダー

 

ちょうど羊の背中の肉の一番頭に近い肩の部分を指します。

 

多少筋線維が多いんですが、焼くと程よい硬さと旨味があり、人気の部位でもあります。

 

焼き、煮込み両方で使える部位です。

 

2.ラック

 

背中の肉のやや上部、あばら骨のついている肉の部分です。

 

よくする調理法としては・・

 

骨付きのラムチョップ(コートレットアニョー)にして焼く

 

ある程度の塊のラックで焼く(キャレダニョー)

 

骨やあばら肉などを完全に除外(牛や豚のフィレ肉の状態)して焼く(ノアゼットアニョー)

 

様々な料理法がある部位でもあります。

 

3.ロイン

 

背中の肉であばら骨が付いていない部分のこと。

 

牛でいうところのサーロインですね。

 

簡単に言えば、背中の肉全体のことを言います。

 

ラックもこれに含まれますが、細かな分け方は省略しますね。

 

4.レッグ

 

もも肉のこと。

 

肉質は、羊肉の中で最も脂肪が少ない部分です。

 

よって、羊本来の肉の味を楽しめる部位で、焼きや煮込み、ステーキ、串焼き、ローストなど料理方法は幅広いです。

 

5.番外編

 

他にも、こんな部位も使います。

 

トライプ→胃袋

中に詰め物をして煮込んだり焼いたりします。

 

キドニー→腎臓

そら豆のような形状をしており、串焼きやソテーにしたりします。

 

ブレイン→脳

血抜きや下処理をし、ムニエルや煮込み料理のコク出しに。

非常に柔らかく壊れやすい。

 

スイートブレッド→胸腺

これは、生後間もなくの乳のみ仔羊にしかない部位で、非常に希少価値が高く、味もコクがあって美味しい!

 

こちらも下処理は必須です。

 

ちなみにGOCHIでは、ラックの部位を使って骨付きで出しています。

 

 

 

 

GOCHIの仔羊の調理法

 

 

GOCHIでは前述した通り、ラムラックを使用しています。

 

そして、ニュージーランド産です。

 

だいたい巷のフレンチやイタリアンは、オーストラリア産かこのニュージーランド産が多いです。

 

国産の北海道産やフランス産もありますが、やはり希少価値や頭数が極わずかの為か高い・・・

 

GOCHIでもいつか・・・( `ー´)ノ

 

ちなみに、ラックはこんな状態です。

あばら骨付きで、ここから下処理をしていきます。

 

まずは骨の処理です。

 

ボクらは、この仔羊の仕込みをよく・・

 

「アニョーの爪出し」

 

と言っています。

 

もちろん、骨と骨の間に包丁を入れてそのまま切ることも出来ますが、わざわざ骨を出すのは、見栄えや指でつまめるようにする理由があります。

 

包丁の先で、約3センチくらいのところまで骨を出すように切って剥がしていきます。

いかがでしょう?

 

見た目がキレイになりませんか?

 

ちなみにこの爪出しの仕込みは、非常に地味な作業です(^-^;

 

なので、40ラックをやったりすると気が滅入ってきます・・・

 

なので、よく後輩や同僚と「爪出しタイムアタック」なんかをやっていました。

 

ここでたまにいるのが、一つの仕込みを極めた料理人です。

 

石田という同僚がいたんですが、他の仕込み作業は普通の早さなのに、この爪出しだけ以上に早かった・・・

 

ゴリラみたいな顔で体格はボブサップだったので、よくみんなに「ミニサップ」と呼ばれていました。

 

しかし、このミニサップが仕込む仔羊の爪出しは、早くてキレイだったんですよねぇ。

 

ボクが1つ終わる時に、彼は2つ終わってるといったように、倍速のスピードなんです。

 

もちろん、他の仕込みはコテンパンにしてあげましたが(笑)

 

でも、そこは一目置いてました。

 

 

さて仕込んだ仔羊を、次はローストしていきます。

 

まずは背中の脂面から焼いていき、余分な脂分を溶かしていきます。

 

その脂を捨て、次はバターを投入し全体をバターでコーティングするように手早く焼きます。

 

ここで一つ疑問が生まれます。

 

ん?あばら骨の部分はどう焼けばいいんだ?

 

あばら骨の部分は、ゆるやかなアーチ状になっているため、フライパンの面に当たりません。

 

つまり焼けない(‘Д’)

 

そこで「アロゼ」という技法を使います。

 

簡単に言うと、焼いている時のバターや脂を直接掛けるといった方法です。

こうすることで、骨の部分も焼けるようになります。

 

そして、ここからが一番重要!

 

火入れです。

 

羊の肉は、他の肉料理と比べて火入れが難しいと上記しました。

 

その理由として、羊肉の赤身は筋肉繊維中に脂肪が少なく水分が多めの肉質なので、火入れの際に過分に加熱をしてしまうと、水分が抜け筋肉が収縮し、固めの仕上がりになってしまいます。

 

つまり、羊の肉は低温調理が適しています。

 

低めの温度でじっくり・・・

 

肉の火入れについては、こちらも参考にご覧になってみて下さい

赤ワインと一緒に食べてもらいたい….それが私、ステーキ!

 

ただし、長時間火入れすると、今度は水分だけが徐々に抜けてしまいます。

 

なので、火入れ→休ませる という作業が牛肉以上に増え、繊細になります。

 

そうして出来上がった仔羊のローストは、もう絶品間違いなしです!

 

柔らかさはもちろん、仔羊の旨味がしっかり閉じ込められ、クセのない豊かな風味が広がります♪

 

また、ハーブとの相性が抜群なので、GOCHIでは香草をまぶして火入れをしています。

 

是非一度、試して頂きたい料理の一つです(^^)/

 

 

閲覧、ありがとうございましたm(__)m

 

P.S

 

北海道に旅行に行ったとき、ある飲食店に入ったんですが、そこにはなんと・・・

 

羊のユッケとタタキがあったんです!

 

よほで新鮮でなくては出せないこの料理。

 

これが、究極に美味しかったんです(T_T)

 

ボクの忘れられない料理にノミネートされています。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)