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出汁・・・

 

これは、料理にとって切っても切れない存在です。

 

味噌汁やスープ、ラーメン・・・

 

あらゆる料理に使われますよね?

 

しかし、その存在は「主役」ではなく、あくまで「脇役」です。

 

実際に飲食店に行き・・・

 

「お待たせしました。こちらは、土佐湾で獲れたこの時期だけの脂の乗ったカツオを、乾燥から削りまで一つ一つ丁寧に人の手で行っている鰹節の出汁です」

 

と、提供されたらどうでしょう?

 

え?出汁だけ(‘Д’)??

 

こうおもいますよね(^-^;

 

逆に、もし出汁だけで一つの料理に出来たら、それはそれで究極とも言えますが・・・

 

今回は、そんな出汁の存在意義や種類を、イタリアンやフレンチの目線でお伝えしていきます(^^)/

 

そもそも出汁って何?

 

 

「このお吸い物、出汁が効いてるね」

 

「この鍋の出汁を使って雑炊だ」

 

などなど、食生活の中でよく耳にする「出汁」・・・

 

まずは、その正体を改めて見てみましょう。

 

料理に、甘・酸・苦・鹹の味覚のほか、肉や野菜、キノコや海藻から抽出したうま味を加えるために用いられる。うま味成分であるアミノ酸や核酸、栄養を含み、また香りをも与える。

食文化によって各種存在するが、だしの材料としてグルタミン酸、イノシン酸やグアニル酸などの呈味性ヌクレオチドを含む食材が利用されている。またこれらを粉末等にした製品もある。西洋料理や中華料理の汁物(スープ)に使われる湯やブイヨンなども「洋風だし」や「中華だし」などと呼ばれることがあり、これらに対して特に日本料理のだしを呼ぶときは「和風だし」と呼ばれる。

日本料理においてだしは味の基礎となっている。代表的なものは、鰹節とコンブである。他にもシイタケや野菜、魚の粗や煮干しなど様々なだしがある[3]。野菜のおかずで米飯を食べることが主体の、日本を中心とした東アジアの米食地帯にあっては、それ自体のうま味の少ない野菜にそれを補う必要が生じ、穀醤や魚醤を経て美味しさのエキスである出汁の文化が発展した経緯がある。こうした素地があったため、うま味調味料の東南アジアなどへの迅速な浸透は当然のことと受け取られている[4]

西洋料理では本来、だしには牛・鶏・魚・野菜・香草などを用い、日本のように鰹節や昆布を使うことは無かったが、近年は日本料理の影響を大きく受けたことで、鰹節や昆布のだしを使ったフレンチやイタリアンが普通に見られるようになっている。

ウィキペディアより

 

そう、出汁は「さ し す せ そ」の5大調味料とは別で、確固たる地位を築いています。

 

調味料は、あくまで味を調える物です。

 

一方、出汁は「味の土台」です。

 

なので極端な話、腐った魚の骨から出汁を取り、そこに究極に美味しい塩を加えてもどうにもなりません・・・

 

後述しますが、この出汁の存在がソースやパスタに大きく影響してきます。

 

もちろん出汁を使わなくても料理は作れますが、人間の舌は複雑な味わいに、より美味しさを感じるようになっています。

 

特に、ボクら飲食店は美味しさを追求しているので、ベースとなる出汁は必要不可欠です。

 

そして、上手に美味しい出汁を取るのも料理人の腕の見せどころでもあります。

 

 

 

代表的な出汁の種類と西洋の出汁

 

 

ひとえに種類と言っても、膨大な数の出汁があります。

 

と言うのも、ある食材を煮るとその味が出てきますよね?

 

つまり、これも出汁なんです。

 

タマネギにしろ、リンゴにしろ、はたまたワサビだって・・・

 

鍋なんて特にそうです。

 

ただ、鍋の場合色々な物を入れるので、再現性はほぼゼロです・・・

 

「去年、家でやったヤミ鍋の味が忘れられないから、もう一度同じ物を作ってくれ」

 

はい、もはや真相も言った本人も闇そのものです(笑)

 

しかし、鍋はその複雑味がなんとも美味でもありますよね(^^♪

 

さて、出汁で代表的な物で言えば・・・

 

和食⇒カツオ出汁  昆布出汁  煮干し出汁

 

中華⇒植物性のスータン  動物性のフンタン  白いパイタン

 

など、食材は同じ物から全く別の物まで様々です。

 

そして西洋出汁・・・

 

ボクの知識も入れつつこの分野を中心に紹介します(^^)/

 

ザックリ言うと、西洋料理では出汁の事をブイヨンと言います。

 

出汁と同じ定義と思ってもらえれば結構です。

 

そして、このブイヨンにも細かく種類があります。

 

 

ブイヨン ド レギューム

 

香味野菜だけを使って取ったブイヨンを言います。

 

これは主に、タマネギやニンジン、セロリ、トマトを使います。

 

切れ目だけを入れて、丸のまま長時間煮出す物もあれば、薄くスライスして短時間で煮出すこともします。

 

用途としては、味にまるみを加えたい時や、野菜の甘さを生かしたい時に使います。

 

ボクは子供用のカレーのベースにしたり、野菜の風味をさらに効かせたミネストローネを作る時なんかに使っています♪

 

 

ブイヨン ド ヴォライユ

 

 

香味野菜と丸鶏を使い取った物を言います。

 

だいたいブイヨンと言えば、これを指しますね。

 

野菜と下処理(内臓や余分な脂を取る)した丸鶏を長時間掛けて煮込みます。

 

用途は幅広く・・・

 

スープ  煮込み  ソース  パスタ

 

他にも、様々な料理のベースになります。

 

ちなみに、新鮮で若い鶏よりもブイヨンにする時は老鶏の方が良いんです♪

 

食べる⇒新鮮で若い鶏

出汁を取る⇒年をとった鶏

 

で覚えてくれたら嬉しいです(^^♪

 

 

ヒュメ ド ポワソン

 

 

魚のアラで取った物を言います。

 

? ヒュメドブイヨンじゃないの(‘Д’)?

 

諸説ありますが、ここではフランス語の勉強会ではないので割愛させて頂きます(笑)

 

このヒュメは、魚の骨や少量の香味野菜、白ワインなどで取る出汁のことです。

 

和食で言ったら、アラ汁に近いでしょうか。

 

ただし、魚介系は少しポイントがあって、鮮度と下処理が重要になります。

 

古いアラを使うことはもちろん、しっかり血抜きした物を使わないと、見事に臭い出汁になります(;´Д`)

 

ボクも昔、古いヒラメでそれを経験したことがあり、鍋が沸いた瞬間なぞの泡が大量に吹きこぼれまして・・・

 

「すげー臭いぞ!!捨てろ!!」

 

「今から市場行って買ってこい!!」

 

と、盛大にやらかしました(*_*;

 

その捨てた量たるや30Lほど・・・( ;∀;)

 

ちなみに、GOCHIではこのフュメをパスタのベースやソースに使っています。

 

また、やり方は多少ちがいますが、ブイヤベースも基本は一緒です。

 

ヒュメには、魚のアラ以外でも取ります。

 

アサリを短時間で煮出したもの

ホタテ貝のヒモを使って煮出したもの

オマールの殻と頭から出汁を取ったもの

 

それぞれ、料理の用途に応じてヒュメを取ります。

 

中でも、オマールを使って取った出汁で作るソース(アメリケーヌ)は超が付くほど美味しいですよ(*´ω`*)

 

 

 

フォン ド ボー

 

 

これは、牛の骨を使って取った出汁のことです。

 

西洋出汁の中で、一番時間が掛かるものでもあります。

 

と言うのも、ラーメンで使う豚のゲンコツと一緒で骨が大きい分、味が出るまで時間が掛かるんです。

 

ボクが作る時も、だいたい全部で8~10時間は絶対掛かります。

 

このフォンドボーは、主にソースのベースにしています。

 

GOCHIのメニューで言ったら・・

 

ローストビーフのソース

エノキサラダのバルサミコドレッシング

ボロネーズ

 

などで使っています。

 

 

GOCHIの出汁活用法

 

 

では、具体的にGOCHIではどのように出汁達を使っているかと言うと・・・

 

ブイヨンドレギューム ⇒ スープの甘み出し ドレッシングのベース

ヒュメドポワソン ⇒  魚のソース 魚介系パスタのベース

フォンドボー ⇒  肉のソース ボロネーズ

 

そして、パスタには何かしらの出汁を使っていて、実際に召し上がって頂いた方は感じられているんじゃないでしょうか?

 

特に、ペペロンチーノやクリームは、出汁を使わないと味がぼやけたり、逆に濃く感じやすいという極端な味になりやすいんです。

 

ご家庭でも、料理のベースという考えを少し取り入れるだけで、味に広がりを与えられますよ(^^)/

 

閲覧、ありがとうございましたm(__)m

 

 

P.S

 

ボクは「シャコ」が大好きです♪

 

広島出身ということもあるかもしれませんが、寿司屋に行くと必ずと言っていいほど食べます!

 

最近は、あまり見かけられなくて非常に残念なのですが(T_T)

 

そんなシャコの殻を使って一度出汁を取ったんですが・・・

 

めちゃくちゃ泥臭い(´Д`)

 

やはり、食材によって無理な物もあるんだと、勉強になりました(笑)

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